11月26日

誕生花:ノコギリソウ

花言葉:戦い


photo by hana
 ノコギリソウ(鋸草):キク科
 学名:Achillea
 名前の由来:葉っぱが鋸の歯のようにギザギザしているところから
       ギリシャ神話の勇士アキレス(Achilles)の持つ槍に似ていることから。
 原産地:ヨーロッパ

 トロイ戦争は「パリスの審判」から始まります。
 エギナ島の王ペレウスと海の女神テティスとの結婚式に、不和の女神エリスは招待されませんでした。
それを怒ったエリスが「最も美しい者に送る」と書いた金のリンゴを宴席に投げ込みました。
ヘラ、アテナ、アフロディーテがそのリンゴを争ったので、最高神ゼウスに審判役を命じられたのが
トロイの王子パリスでした。ゼウスの妻で結婚の女神ヘラは世界の支配権を、
戦いの女神アテナは戦での勝利を、愛と美の女神アフロディーテはもっとも美しい妻を与えると
それぞれがパリスに約束しました。パリスはオイノネというニンフの妻がいたにもかかわらず、
アフロディーテを一番の美女として、スパルタ王妃ヘレネを略奪することに成功します。
スパルタ王メネラオスは、全ギリシャの英雄を集めトロイへ復讐の戦いを挑み
これがトロイ戦争と呼ばれるものになりました。
 トロイ戦争は、アキレスが参戦しないと勝てないという神託と、
参戦するとすると死ぬという二つの神託が出ていましたので、
アキレスは女装して隠れていたのですが、探し出され結局は参戦することになります。
神託どおりにアキレスはギリシャ軍を優勢に導きますが、パリスの矢が踵にあたって戦死してしまいます。
 トロイ戦争は10年間決着がつかず多くの英雄の血が流されましたが、
オデュッセウスの案による木馬によって、トロイが落城し結末を迎えました。

 今日の誕生花「ノコギリソウ」は、このトロイ戦争でアキレスに討たれたアマゾンの女王
ペンテシレイアをアキレスが手厚く葬り神に「アマゾン国の女王の魂を花に宿らせたまえ。」
と祈ったところ「ノコギリソウ」に変わったといわれています。
ペンテシレイアはトロイに恩があったので軍を引き連れて参戦したようですが、
わたしの思うところアキレスに恋していたような気がします。美しく勇猛な女王が
常々剣の手を合わせたいと思っていた相手アキレス。そのアキレスに負けず劣らずの戦いをし
結果倒されてしまったのですが、アキレスに刺されてこそ本望だったのかもしれません。
 トロイ戦争は女神たちの美の争いから始まり、様々な美しい女性がかかわって、
それによって女性も勇士も命を落とすことになります。
 トロイの王子パリスはオイノネという妻がありながら、
美しい妻を欲しいとアフロディーテと取引しました。
トロイア陥落前にパリスは、ギリシアの名射手フィロクテテスの矢で瀕死の重傷を負って
魔法の治療法を知っている妻オイノネの元へ帰りますが、治療を拒否されて死んでしまいます。
そしてそれを後悔したオイノネも後を追って自殺してしまいます。
 スパルタ王妃ヘレネを奪回する軍の総帥アガメムノンは船隊出発のために
月の女神アルテミスの怒りを解き順風を得ようと
自分の娘イフィゲネイアをアキレスと結婚させると偽って呼び出し殺してしまいます。
それを恨んだ妻と情夫アイギストスに凱旋の後、殺されます。
 アポロンはトロイ王の娘カサンドラに恋し予言の力を与えますが、拒絶されたため、
誰も彼女の予言を信じないようにしてしまいました。
カサンドラは、ギリシア軍の木馬の入城やさまざまな危機を予言しますが
誰も信じないためついにトロイは落城し、男は殺され女は奴隷にされます。
戦利品のひとつとしてアガメムノンに与えられたカサンドラは、アガメムノンに
ギリシアにもどれば殺されると予言しましたがやはり信じてもらえなかったために
アガメムノンは妻に殺されることになったのです。
 パリスの兄ヘクトルは、パリスがヘレネを連れ帰った時、ギリシャに返すように言った常識ある王子でした。
しかし、勇士でもあるヘクトルはトロイのために戦うことになり、ギリシャ軍をさんざん苦しめたのですが
アキレスとの一騎打ちに敗れ死んでしまいます。
そのヘクトルの子供はトロイが落城したときに城壁から投げ落とされ、妻は自ら身を投じ死んでしまいました。
 木馬を考えたオデュッセウスも、アキレスと同じように参戦には気がすすまなく、
気が触れたふりをしていたのですが、見破られ参戦することになります。
そもそもトロイ戦争に参戦した勇士たちは、ヘレナに求婚したものたちで、
ヘレナがスパルタ王を夫に選んだ時に、ヘレナを守護するものとして同盟を結ぼうと
提案したのがオデュッセウスだったのですから、ヘレナ奪回に参戦しなければ面目がたたなかったわけです。
トロイ戦争に勝利したオデュッセウスですが、自分の国に帰るまでに何年もかかり
さんざんな目にあいます。これはホメロスの長編叙事詩「オデュッセイア」になっています。

 「戦い」とはなんでしょう。些細なことや人間関係のしがらみから憎んでもいない相手の
命を奪い、家族や恋人を悲しませ、また、命を奪い、自分の命も落としてしまう。
自分の権利や領域を侵略させずに尊重して欲しいと思うならば、相手の権利や領域を
侵さず尊重することが大切なのではないのかなと そんなことを思いました。

2001.12.3