--- 愛嬌(11月7日) ---

誕生花は
むべ

花言葉は
愛嬌

 「ムベ」は 「アケビ」によく似ていますが、別名を常磐通草(トキワアケビ)と言うように
アケビの葉は冬になると落ちてしまうのに対して、ムペは一年中緑の葉をつけています。
また アケビのように実が開かずに 閉じたままです。

「郁子」と書いて「ムベ」と読みます。
日本最初の漢和辞書「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)」
(931〜938年醍醐天皇の皇女 勤子内親王の命によって撰進)
には すでに郁子として 書かれているそうですが いわれはわからないようです。
 「郁」には 盛んな様子とか かぐわしいとか 肉質だけで芯のない果物
という意味がありますが 最後の肉質だけでというのは ムベが郁子と書くところから
由来する意味のような気がしますので 今日は除いておきましょう。
「子」には 実とか 種という意味があります。
 郁子を中国風に 続けて読むと 「yuzi」になるかと思いますので 変化して
「mube」となったのはちょっと無理がありますね。 やはり 花に芳香があり
一年中緑の葉を持つ 実の成る木という漢字を 日本古来からあった「ムベ」という名前に
当てたとするのが 自然のような気がします。

 ではなぜ「ムベ」なのでしょう。 大贄(おおにえ)と言って神様に献上するものがあるのですが
神格化した天皇にも 「大贄」というものがありました。地方の特産物や 珍しいものを
献上したこの大贄の中に ムベもあったそうです。 朝廷ではデザートとしてムベを食したようです。
現在では 果物も品種改良されて とても甘くなっていて 口直しのデザートであるはずが
またその口直しをいただかなければならないような状態ですが
野生のものとか原種に成る果物は ほのかな甘さがある程度です。
砂糖がなかった時代に 自然な甘さを持つ果物というのは とても贅沢で美味だったにちがいありません。
そんなことから 「むべ」という 「もっともなことに」とか 「いかにも、なるほど」 という
肯定をあらわす言葉で呼んでいたのではと わたしは 推測してみました。
 と 勝手に「ムベ」のいわれを考えても 今日の花言葉「愛嬌」のいわれが
なかなか浮ばないのですが。

 愛嬌とは にこやかで親しみやすいかわいらしさですね。
山の蔓性の木になる実で 林檎や梨や蜜柑のように 丸くはなく
色も赤や黄色ではなく 紫と落ち着いた色。
都の女性のように 派手さは無くても 素朴さが自然でかわいらしいかったり
アケビのわうに 実をパカッと開けることもなく
恥ずかしげに頬を赤らめているような実のようすからなのかもしれません。

2001.11.7