2月28日

今日の花:月桂樹(ゲッケイジュ)

花言葉:勝利


photo 植物園へようこそ
 月桂樹は、葉のついた枝で作った冠をマラソンなどの勝者に贈られるので皆さんよくご存知かと思います。また、香辛料のローリエ(フランス語)やベイリーフ(英語)と言えばお料理好きの方には馴染みの物でしょう。

 さて、今日の花言葉は、ギリシャ神話のアポロンに関係しています。
 ゼウスの子供であり、太陽神と言われるアポロンですが、そのほかにも、医術、音楽、詩、数学、予言、弓術、法、道徳、哲学と、全てに優れた光り輝く美しい男神です。 
 そんな素晴らしい神様ですが、アポロンも、現代の神の定義とはかなり違ったとても人間臭いギリシャ神の一人ですので、ある日、恋の神キューピットに「子供が弓で遊んでは危ないよ」とからかいました。怒ったキューピットは、恋におちる金の矢をアポロンに、そして、恋を拒む鉛の矢を川の神の娘ダフネに射たのでした。
 恋して止まないアポロンはダフネを追いかける。ダフネは逃げる。アポロンが追いついた時、ダフネは父神に「つかまるくらいならば私を木にかえてください」と願いました。アポロンの手がダフネにとどいた時に、ダフネの足元から手の先、髪の先から月桂樹にと変わったのでした。
 月桂樹に変わってしまったダフネ、それでも恋し続けたアポロンはそれから生涯、ダフネの月桂樹で作った冠を身に付けていたということです。
 悲恋物語なのか、素晴らしい恋物語なのか、究極のストーカー物語なのか、受け取り方は人それぞれですが、今日の花言葉「勝利」は、全てに優れた男神アポロンがいつも身に着けていた月桂冠を、それぞれの分野に秀でた者に授けられたと言うことに由来しています。

 花言葉に、それに至った恋のお話は関係ないと書いたところではありますが、私はどうしてもこだわってしまいます。
 話の発端はアポロンがキューピットをからかったこと、アポロンとキューピットはどちらが勝ったのでしょうか?人の形として恋は成就しなかったのですから、キューピットの勝ちなのかもしれません。でも、プレーボーイで本当の恋をしていなかったアポロンが生涯恋し続けたということは、アポロンがキューピットに勝ったのかもしれません。とんだとばっちりで木の姿に変わってしまったダフネと、追いかけまわしたアポロンはどちらが勝ったのでしょうか?人の形としてはアポロンに触れさせなかったダフネかもしれません。でも、生涯月桂冠を身に着けたアポロンなのかもしれません。
 「勝って負ける」「負けて勝つ」などという言葉がありますが、勝利ってなんでしょう?多元的に見て全てに勝つということはないでしょう。己と他との戦いや競いは意味のない物のように私には思われます。ただ一つ、己との葛藤に勝つことこそ意味があると、そんなことを思いました。

2006.12.12