3月1日

今日の花:黄水仙(キズイセン)

花言葉:私のもとへ帰って

photo hana
 スイセンといえば、1月4日の「自己愛」でご紹介したように、ギリシャ神話のナルキッソスですが、ギリシャ神話のスイセンのお話はもうひとつあります。

 植物と豊穣の女神デメテルは、弟である全知全能の神ゼウスとの間に、ペルセポネという美しい娘がいました。そのベルセポネに、冥界の王ハデスが恋をしました。
 ある日ベルセポネが仲良しの娘達と野原に花摘みに出かけた時、ベルセポネが一人はぐれてしまったところで、ハデスがベルセポネの気持をひくために咲かせた1本の茎に100個もの花がついた水仙を見つけました。その水仙をベルセポネが摘んだ瞬間に大地が割れ、4頭の黒い馬が引く黄金の馬車が現れました。その馬車に乗ったハデスはベルセポネを冥界に連れ去ったのです。その時ベルセポネの手から落ちた水仙が、金色に変わり黄水仙が生まれたということです。 デメテルは行方不明になった娘のベルセポネを捜しましたが、手がかりは黄水仙だけでした。

 この続きはまだまだあるのですが、またの機会にお話することもあると思いますので、今日はここで一区切りとしておきます。
 突然いなくなってしまった娘のたった一つの手がかり、それが黄水仙。母の娘を心配するこころ、それが今日の花言葉「私のもとへ帰って」になったのかもしれません。

 ギリシャ神話からずっと時がたって、皇帝ナポレオン・ボナパルトのお話にはこんなこともあります。
 奥方のジョセフィーヌの愛用していた香水は、動物性のジャコウの香りで、植物性の水仙の香りが好きだったナポレオンは、そのジョセフィーヌの香りが鼻について離婚したとか。
 実際のところはオーストリアの皇女マリー・ルイーズと再婚したのは、長年の敵であったオーストリア帝国との平和を得るための政略結婚だったようで、母のように愛してくれた年上のジョセフィーヌがいなくなってからは、精神が不安定になったのでしょうか、ナポレオンは精彩に欠けていきます。

 ナポレオンは3時間しか眠らなかったというお話は有名ですが、実際のところ不眠症だったのかもしれません。水仙の香りは眠気を誘い、鎮静効果があるために、ナポレオンの側にあったのかもしれません。水仙の香りで精神を落ち着け眠りにつく時、思い出すのは、包み込むように愛してくれた前妻のジョセフィーヌだったのかもしれません。

 「私のもとへ帰って・・・」そんな想いがあったのかもしれません。そんなことをわたしは思いました。

2002.3.2