3月15日

誕生花:ヘムロック

花言葉:死も惜しまず

photo 四季の山野草
 ヘムロックとは毒人参(ドクニンジン)のことです。古代ギリシャの哲学者ソクラテスの処刑に毒薬として用いられたそうで、茎の赤い斑点を、ヨーロッパでは「ソクラテスの血」とも呼ばれているそうです。今日の花言葉「死も惜しまず」は、このソクラテスの処刑からきているのかもしれません。
 
 ソクラテスは自分が賢者だとは思っていませんでした。でも、「ソクラテスが一番の賢者だ」というご神託が下ったのです。そんなことがあるわけがないと、ソクラテスは賢者と評判の人たちを尋ねて問答をします。すると、その人たちは、あることについては確かに知ってはいても、他のことは知らない。でもそれで全てを知っていると思い込んでいることがわかりました。だったら、確かに、知らないことがあると自覚している自分のほうが賢いというのは正しいのではないのだろうかと思ったのです。そして、街頭で人を捉まえては問答をして、どんな人にも知らないということがあると自覚させる運動をしていました。
 
 ソクラテスは人を困らせたり恥をかかせたりする気は毛頭ありませんでしたが、問答によって恥をかいた権力者や有力者は面白くありません。そこで、「神を冒涜し若者たちに悪影響を与えている」という罪で裁判にかけられます。裁判でも、ソクラテスの主張は変わらずソクラテスを無罪とする陪審員も多くいたのですが、多数決で死刑という判決がでました。牢屋番は鍵をかけていなかったそうですし、脱獄を勧める人もいたのですが、ソクラテスは死刑という判決を受けることにします。なぜなら、「死刑という判決は正しくない。しかし、それに対して脱獄という不正を行ってはならない。」つまり、不正に不正で報復してはならないと言っています。ソクラテスが死刑を受けることによって、それが正しいことではなかったと市民が知ることになるのだからそれで良いのだと。
 
 ソクラテスは何のために生きていたのでしょうか。何のために死んだのでしょうか。生きるとは、死なないことではなく、その生き様なのでしょう。「死も惜しまず」に「知」の探求をしたソクラテスでした。

2011.1.18