6月27日

今日の花:姫百合(ヒメユリ)

花言葉:強いから美しい


photo 熊本県
 万葉集に大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)が詠んだ歌があります。
「夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ」
夏草の茂っている中に、そっと咲いているひめゆりのように、相手に知ってもらえない恋はとても苦しいものです。

 ヒメユリは、今では野生のものを見るのは難しいそうですが本来は、この歌のように山の草の中にそっと花を咲かせるのだそうです。そっとといっても、緑の草に混じらず、朱赤の毅然とした花をつけるのです。
 山の中にあってもお付きの者(草)に守られてというか、従えて、姫という品格を失わない強さを持った姫のような気がします。そんなことからでしょうか、「夏の野の・・・」歌は片思いの歌なのですが、相手に知ってもらえない悲しさに泣き崩れるのではなく、恋しい恋しいと思いながらも、しっかりと自分を持って、自分で立っている。そんなこころの自立した女性のような感じをわたしは受けます。

 でも・・・、この歌は誰に送った歌なんでしょう。誰に送ったとはわからないようです。出せなかった恋文。ふっとつぶやいたひとりごと、そんな気もします。「好きなの。好きなの。好きなの。」とこころの中でつぶやいて「夏の野の・・・」と筆を取る。そして、「片思いって苦しいものなのよね」と改めて思う。そして、「うふふ、こんなわたしも可愛いじゃない」と、せつないこころも楽しんでしまおうというような、前向きな女性だったような、そんな気持がしました。

2002.6.29