学名は「Magnolia grandiflora」で、モクレン科の大きな花という意味です。
漢字では「大盞木」「泰山木」「大山木」などがあてられています。
「大盞木」は大きな杯、つまり花の様子をあらわしています。
「泰山」は、日本でいう富士山のように敬われている中国の山で、道教信仰の中心だそうです。
いずれも、背が高く、葉も花も大きくて立派な木なのであてられている漢字なのでしょう。
今日の花言葉「威厳」は、そのような木の様子からつけられたのだと思います。 日曜日の朝は、お習字を習いに行く。
バスに乗って、おばあちゃん家を通り過ぎて、まだまだお山を登って行く。
道はお寺のところで急カーブ。
バスの座席に座ったわたしは、あの大きな木にも負けない高さだよ。
あぁいい匂い。
きっとあの白い大きな花から匂ってるんだ。
小学生の頃の思い出です。
タイサンボクは20メートルにもなる大きな木で、その上、花は、
大きな葉の上に、空に向って咲くので、小学生の子供がその花の全景を見られることはめったにないことなのです。
その頃は、もちろんそんなことは知りませんでしたが、とてもこころに残る花でした。
わたしの思い出の中のワンシーン。それは、わたしの目線ではなく、鼻の出っ張ったバスが、左カーブを曲がってくる所。その向って右側には白い花をつけたタイサンボクがあるのです。
冷房車の無い時代、車掌さんが「発車オーライ」という時代。ガタゴトの坂道を登っていくバスからは、きっと排気ガスが窓からもにおったことでしょうに、なぜかタイサンボクの花の香りなのです。 どんな香りなのか、今、確認しようと、花に近づいてもわからないのはどうしてなんでしょう。 大好きだった祖母は亡くなり、バスから見えた家も、従兄弟達とかくれんぼした納屋も無くなりあの左カープの坂道も今は舗装され、拡幅されたような気が気がします。
花時に通ったことがなかったためか、気にとめたこともなかったので、もしかしたら拡幅工事であのタイサンボクも無くなってしまったのかもしれません。けれど・・・時間も空間も変わってしまったけれど、この時期にもう一度あの場所に行ったら・・・。
いいえ、やめておきましょう。想い出は、思い出のままにしておきましょう。と、そんなことを思いました。
|