9月14日

今日の花:マルメロ

花言葉:誘惑

photo 植物園へようこそ
 中央アジア原産で、17世紀にポルトガルから長崎に伝えられたそうです。実は生食には向かなく主に ジャムとして食されます。ポルトガル語で marmelo マルメロジャムは MARMELADAといってマーマレードの語源だそうです。
 
 ギリシャ神話に こんなお話があります。
 山に捨てられた アルカディア王の娘 アタランテは、狩猟の女神 アルテミスの化身の雌熊に 育てられました。この美しく勇猛な姫に たくさんの求婚者が現れるのですが、アタランテは気が進まず 勝てば結婚 負ければ死という条件をつけたアタランテ自身との徒競走をします。
 ヒッポメネスという青年は 愛と性欲を司る女神アフロディーテに祈り黄金のリンゴ(マルメロ)を与えられます。徒競走の時 ヒッポメネスは アタランテに抜かされそうになると、このリンゴを転がし アタランテが気を取られて拾っている隙に勝利しアタランテを得ることができました。
 
 ギリシャ神話には 「リンゴ」がキーワードのように登場します。「リンゴ」とは言ってもオレンジを指す場合もありますし、今日のようにマルメロを指す場合もあります。木になる丸い果物の総称として使われているような気がします。「リンゴ」についてのお話は また他の機会に譲るとして、アタランテが 三度も気を取られてそして 拾ってしまったマルメロの実。誘惑に勝てなかった アタランテ。甘い香りがしたのでしょうか、美しい色に輝いていたのでしょうか・・・誘惑。 誘い惑わすこと。 誘い惑わされること。甘美な罠(わな)。人というものは そこに陥りたいという願望があるのかもしれません。
 
 結婚を拒みつづけた 美しく勇猛な姫は、鋭い目と 強い意志を表す口元を持った尖った印象を受ける姫です。父に山に捨てられ 野獣たちと戦いながら育った姫です。こころの奥には 愛されたい 愛したい 優しくしたい 優しくされたいという気持で、結婚を望んでいたのかもしれません。
 
 誘惑とは、こころの表面を覆っているものを取り去り、こころの奥底にあるものを 露呈することなのかもしれません。マルメロの花を見ると 邪悪な感じがしないのです。飾らず 隠さず、素直におなりなさいと言っているような、そんな気持がするのです。

2001.9.14