9月17日

今日の花:エリカ

花言葉:孤独

photo 植物園へようこそ
 英名ではエリカのことを「ヒース」(heath)と言います。古英語の「不毛の土地」に由来するそうです。
 英国の女流作家 エミリ・ブロンテが書いた小説『嵐が丘』の背景。北イングランドの荒野に生えているのがこのヒースです。嫁いでから わたしが住むことになったこの町も 風が強いところです。晩秋から春になるまでの風の音は この『嵐が丘』を思い出させ、まるで風土病になったかのように わたしを憂鬱にさせます。
 
 キャサリンの結婚を誤解したまま 復讐の鬼になるヒースクリフ。ヒースクリフを愛しながらも 誤解を解けぬまま亡くなるキャサリン。復讐劇は 次の世代の人間達まで 巻き添えにしていきますが、ヒースクリフが亡くなる直前 キャサリンの魂と出会え、この世ではないところで 寄り添っていくのです。
 
 海から吹き上げ 樹木を捻じ曲げるほどの風。その風に耐えぬき 春を待ち ヒースは美しい花を咲かせます。けして春はこないものと 絶望し一生を風の中で過ごしたヒースクリフ(Heathcliff)。cliffとは Cliffordという男性名の愛称ですが、cliff自体は海岸のがけや 絶壁をあらわします。作者はこの名前にも 孤独や絶望を表したかったのかもしれません。
 
 愛する人に 愛されないと思い込むこと 愛されることを 拒絶すること、それが 孤独ということなのかもしれません。そんなことを思いました。

2001.9.19