9月23日

今日の花:一位(イチイ)

花言葉:哀しみ


photo hana
 イチイは、「一位」と書きます。正一位の官職の人の持つ笏(しゃく)を、この木から作ったので
仁徳天皇が正一位を授けたからとも、飛騨の分水嶺 位山(くらいやま)の櫟(いちい)でこの笏を作ったからとも、一番材質が優れていると言う意味から 一位と呼ばれるようになったとも言われています。 実際イチイは緻密な材質で、心材は赤紫色で光沢もあり、狂いもないので、工芸用材として盛んに利用されています。 飛騨高山の一位細工は有名ですね。
 一般的には「アララギ」と呼ばれていますが、北海道内では「オンコ」と呼ばれているそうです。アイヌでは「クネニ」と呼んでいて、弓になる木を意味しているそうです。強くしなりながらも、正確に戻るこのイチイは 弓にぴったりの材料だったのですね。
 
 西洋でも ロビンフットが使っていた弓は イチイだったそうです。シャーウッドの森で活躍した彼でしたが リチャード王が亡くなり、新王との戦いに敗れたロビンフットが埋葬されたのは イチイの木の下だったそうです。それから花言葉が「哀しみ」になったのでしょうか。
 
 シェークスピアは 「イチイの木は、二重に忌わしい」と言ったそうです。人を殺す武器の材料になり 種にも毒があることからだそうです。でも・・・忌まわしいと思うのは 人間の勝手なのではないのでしょうか・・・。イチイはとても成長の遅い木です。やっと成長した木を 人間は切り倒し 命を奪う道具を作り、果肉だけでなく 種までも食べてしまうという 貪欲さ・・・。忌まわしいのは 人間のような気がします。
 
 イヌサフランの花言葉にも書いたように 毒と薬は紙一重。葉を煎じれば 糖尿病薬になるそうです。種子を除いた赤い実は甘く ホワイトリカーに漬け込んでオンコ酒を作れば咳止めになるそうです。最近では イチイに含まれるタキソールなどの成分から誘導される化合物には、抗ガン作用があり研究が進められているそうです。
 
イチイの哀しみ。
 
わたしは 命を奪うために 生まれたのではないのです
わたしは 命を助けるために 生まれたのです
どうか わたしで 命を奪うことをしないで
 
そう言っている声が 聞こえたような 気持がしました。

2001.9.25