9月5日

今日の花:エルム

花言葉:信頼

photo 知床○花図鑑
 エルムは、春楡(ハルニレ)のことです。

 ギリシャ神話で 竪琴の名手である吟遊詩人オルフェウスは、
愛する妻エウリディケを亡くし 黄泉の国に連れ戻しにいきました。
冥界の王ハデスはオルフェウスにひとつの条件を与えます。
「妻にはお前の後ろを歩かせる。だからそのことを信じて
けして地上に出るまでは振り向いてはならん。」
この世にあと少しというところで オルフェウスには猜疑心がうまれます。
そして・・・振り向いてしまい 妻を二度と連れ戻すことはできませんでした。
オルフェウスが奏でる悲しい曲を聴き 神々がエルムの森を作り贈ったそうです。

日本の神話にも 同じようなものがあります。
オルフェウスが伊耶那岐(イザナギ) エウリディケが伊耶那美(イザナミ)に相当します。
真っ暗な 黄泉の国に妻を連れ戻しにきた 夫に 妻はいいます。
「黄泉の国の神様に相談してみますので、その間に けしてわたしの姿を見ないでくださいね」
長い間待たされた夫は 待ちきれず ほんとうに妻がそこにいるのか
疑う気持を押さえきれず ついに灯りをともしてしまいます。
黄泉の国での 変わり果てた妻の姿を見てしまった夫イザナギは
一目散に 現世に逃げ帰ります。

信頼・・・信じて頼りにするということですが
頼りにできると信じること でもあるような気持がします。
オルフェウスが 冥界の王を 信頼できなかったのか
冥界の王が オルフェウスの妻への愛を 信頼できなかったから条件を与えたのか・・・
愛するものを取り戻すため どのようなことでもする
たとえそれが 騙されていることであっても
妻を取り戻すためであれば 成し遂げよう
結果騙されたのであったなら また他の方法を考えよう
とにかく頼れると信じられるものは 今、後ろを振り向かずに 地上まででることなのだ。
と オルフェウスが思うことができたら・・・

イザナギが イザナミを 信頼できなかったのか
イザナミが イザナギに姿を見られたら イザナギが去っていくと 信頼できなかったのか・・・
イザナミが わたしは黄泉の国で姿が変わってしまいました
現世(うつしよ)に帰れば また もとの姿に戻れます
それまでは わたしを 見ないでくださいと
言っていたのだったら・・・

信頼とは 自分が勝手に 相手を頼りにできると信じることではなくて
相手を頼りにできると判断した 自分を信じることなのかもしれません。
信頼を裏切られたと言いますが
頼りにできると判断した 自分が間違っていたのかもしれません
そう思うと ひとつのことだけで相手を決め付けず
自分が信じられると判断した目に狂いはないはずと
また その相手を信じられるような そんな気持がします

2001.9.5