9月9日

今日の花:浦菊(ウラギク)

花言葉:追憶

photo Wikipedia
 浦菊(ウラギク)は浜紫苑(ハマシオン)のことで、海岸近くや満潮時に海水につかるような塩分のある湿地に生える草だそうです。紫苑とは 紫の群がりということですので、浜に群生して咲く 紫色の花という意味ですね。
 
 人の声、熱い陽射しの 賑やかな夏が終った浜辺で、寄せては返す 波の音を聴きながら咲く浜紫苑。思い出すのは何でしょう。遠い昔住んだ国のことでしょうか。愛を誓った恋人のことでしょうか。
 
 
 紫という色は 聖徳太子の冠位十二階の時代「徳」「仁」という高い位の人の冠の色でした。紫が高貴な色というのは きっと ここから由来しているのですね。色分けした冠・・学校での学年色・クラス色の発想はこの色分けから来ているのかもしれませんね。
 
 染色の技術が発達してくると 着物の色も決まってくるようになりますが、宮中の儀式などに着る正式なものでない場合は皇族や高位の公卿のみに許された色 つまり禁色(きんじき)と
凶事に際してのみ用いられる色 つまり忌色(いみじき)以外は自由に楽しめました。
 男性の場合は 表と裏の色の組み合わせ。女性の場合は 十二単(じゅうにひとえ)のように何枚も重ねました。この 色の組み合わせは 表から裏の色が透けて微妙な色あいになったり
人それぞれセンスの見せ所だったのだと思います。
 重ねの色によって 名前がつけられ 季節を表したりもしました。「紫苑」という重ねは 秋を表します。四季の野や山の様子を 着物の色に表して楽しむ。気持がゆったりとしている感じがしていていいですね。
 
 平安時代の宮中では 女性達がこの色の重ねも競ったことと思います。位の高い姫には 専用のコーディネーターもいたことでしょう。歌のたしなみ 色の重ねのセンス 香りの選びかた・・・。帝の寵愛を得るために 競い合ったことと思いますが、全てが 感性のような気持がします。
 空を見て風を感じ 野や山を見て四季を思い、恋しい人に 香りをのせて 歌を詠む。身分の高い姫が 最高のスタッフをつけてみてもやはり本人の感性が一番だったのだと思います。競うことよりも、見たこと感じたこと マニュアルにとらわれず、自分の感性を 素直に表現できること、それが素敵な女性の 要素なのかもしれませんね。

2001.9.9